空のFlexVolでのSnapVaultバックアップの作成

長期間の保管を求められるデータをFlexVol上で保護するには、選択したSnapshotコピーを別のStorage Virtual Machine(SVM)またはクラスタのSnapVaultバックアップにレプリケートします。

始める前に

手順

  1. デスティネーションSVMで、ボリュームのタイプをDPにしてSnapVaultセカンダリ ボリュームを作成します。
    FlexVolの作成については、『clustered Data ONTAP システム アドミニストレーション ガイド(クラスタ管理)』を参照してください。
  2. job schedule cron createコマンドを使用して、SnapVault関係を更新するスケジュールを作成します。
    詳細については、「SnapMirror転送のスケジュール設定」を参照してください。
    次に、週末の午前3時に実行されるスケジュールを作成するコマンドを示します。
     vserverB::> job schedule cron create -name weekendcron -dayofweek 
    "Saturday, Sunday" -hour 3 -minute 0
  3. ソースSVMで、snapmirror-labelパラメータを指定したvolume snapshot policy createコマンドを使用して、SnapMirrorラベル属性が設定されたSnapshotコピーの実行スケジュールを含むSnapshotコピー ポリシーを作成するか、defaultという名前のデフォルトのSnapshotコピー ポリシーを使用します。
    次に、「keep-more-snapshot」という名前のSnapshotコピー ポリシーを作成するコマンドを示します。
    vserverB::> snapshot policy create -vserver vs1 -policy keep-more-snapshot
    -enabled true -schedule1 weekly -count1 2 -prefix1 weekly -snapmirror-label1 weekly
    -schedule2 daily -count2 6 -prefix2 daily -snapmirror-label2 daily -schedule3 hourly 
    -count3 8 -prefix3 hourly -snapmirror-label3 hourly
    新しいSnapshotポリシーのsnapmirror-label属性で指定されている名前は、SnapVaultポリシーで指定されているsnapmirror-label属性と一致する必要があります。これにより、プライマリ ボリュームで以降に作成されるすべてのSnapshotコピーに、SnapVaultポリシーに指定されたラベルが設定されるようになります。

    デフォルトのSnapshotコピー ポリシーには、dailyとweeklyの2つのSnapMirrorラベル属性が関連付けられています。

  4. snapmirror policy createコマンドを使用してSnapVaultポリシーを作成するか、XDPDefaultという名前のデフォルトのSnapVaultポリシーを使用します。
    次に、「vserverB-vault-policy」という名前のSnapVaultポリシーを作成するコマンドを示します。
    vserverB::> snapmirror policy create -vserver vserverB -policy vserverB-vault-policy
  5. snapmirror policy add-ruleコマンドを使用して、作成したSnapVaultポリシーにSnapMirrorラベル属性を追加します。
    XDPDefault SnapMirrorポリシーを使用する場合は、この手順を実行する必要はありません。XDPDefault SnapVaultポリシーでは、デフォルトのSnapshotコピー ポリシーで指定されているdailyとweeklyのSnapMirrorラベル属性が使用されます。
    次に、vserverB-vault-policyにルールを追加するコマンドを示します。このルールでは、「weekly」のSnapMirrorラベル属性が設定されたSnapshotコピーを転送し、40個まで保持するように指定しています。
    vserverB::> snapmirror policy add-rule -vserver vserverB -policy 
    vserverB-vault-policy -snapmirror-label weekly -keep 40
  6. デスティネーションSVMで、type XDPパラメータとpolicyパラメータを指定したsnapmirror createコマンドを使用して、SnapVault関係を作成してSnapVaultポリシーを割り当てます。
    パスの指定で単一の名前を指定した場合、コマンドを実行するSVMのボリューム名と解釈されます。別のSVMまたはクラスタのボリュームを指定するには、完全パス名を指定する必要があります。
    次に、SVM「vserverA」のプライマリ ボリューム「srcvolA」SVM「vserverB」の空のセカンダリ ボリューム「dstvolB」の間のSnapVault関係を作成するコマンドを示します。SnapVaultポリシーの名前は「vserverB-vault-policy」で、「weekendcron」というスケジュールを使用しています。
    vserverB::> snapmirror create -source-path vserverA:srcvolA
    -destination-path vserverB:dstvolB -type XDP -policy 
    vserverB-vault-policy -schedule weekendcron
  7. デスティネーションSVMで、ベースライン転送を開始するために、snapmirror initializeコマンドを使用してSnapVaultを初期化します。
    このコマンドを実行すると、新しいSnapshotコピーが作成されます。このSnapshotコピーがセカンダリ ボリュームに転送され、以降の差分Snapshotコピーでベースラインとして使用されます。現在プライマリ ボリュームにあるSnapshotコピーは使用されません。
    注: 大量のデータを含むベースラインの作成には時間がかかることがあります。
    次に、関係の初期化を開始するコマンドを示します。ベースラインSnapshotコピーが作成され、SVM「vserverB」のデスティネーション ボリューム「dstvolB」に転送されます。
    vserverB::> snapmirror initialize -destination-path
    vserverB:dstvolB