順不同のSnapshotコピー転送とは、SnapVaultポリシーでスケジュールされた通常の順序とは異なる順序でSnapshotコピーを転送することです。
SnapVault関係では、設定されたSnapVaultポリシーに従ってプライマリ ボリュームからセカンダリ ボリュームに転送されるSnapshotコピーが選択され、プライマリ ボリュームとセカンダリ ボリュームの間の共通のSnapshotコピーよりも新しいSnapshotコピーだけが転送されます。 ただし、snapmirror updateコマンドを使用すると、本来は転送対象として選択されないSnapshotコピーの転送を開始できます。
順不同の転送を開始した場合、古いSnapshotコピーを使用してベースが作成されます。すでにSnapVaultセカンダリ ボリュームにあるSnapshotコピーが以降に転送されないように、この更新サイクルで転送対象として選択されたSnapshotコピーのリストがセカンダリ ボリュームの既存のSnapshotコピーと照合され、 セカンダリ ボリュームにすでにあるSnapshotコピーは転送リストから削除されます。
この例では、プライマリ ボリュームの偶数番のSnapshotコピーをセカンダリ ボリュームに転送するようにSnapVaultポリシーでスケジュールしています。順不同の転送の開始前の時点で、プライマリ ボリュームにはSnapshotコピー2~6が含まれており、セカンダリ ボリュームには偶数番のSnapshotコピーだけが含まれています(図では「SC」と表記しています)。次の図に示すように、ベースの作成に使用される共通のSnapshotコピーはSnapshotコピー4です。
順序どおりでない転送でSnapshotコピー3をセカンダリ ボリュームに転送すると、次の図に示すように、そのコピーがベースの作成に使用される共通のSnapshotコピーになります。
以降の更新でSnapshotコピーを選択する際、SnapVaultポリシーに従って、Snapshotコピー4とSnapshotコピー6がセカンダリ ボリュームへの転送対象として選択されます。ここで、転送リストが照合され、セカンダリ ボリュームにすでにあるSnapshotコピー4が転送リストから削除されます。その結果、次の図に示すように、Snapshotコピー6だけが転送され、そのコピーがベースの作成に使用される共通のSnapshotコピーになります。
この例では、SnapVaultのラベルが設定されたSnapshotコピーがData ONTAPで2つ作成されたあとに、ユーザがSnapshotコピー「user-created」を作成し、その後SnapVaultのラベルが設定されたSnapshotコピーがさらに作成されています。これらのSnapshotコピーの順序を次の図に示します。
ここでSnapshotコピーuser-createdを選択して順不同のSnapshot転送を実行すると、次の図に示すように、user-createdが新しいベースSnapshotコピーになります。
スケジュールされたSnapVault転送の次回実行時は、SnapVaultのラベルが設定されたSnapshotコピーのうち、user-createdよりもあとに作成されたコピーだけが転送されます。前のベースSnapshotコピーと現在のベースSnapshotコピーの間に作成されたSnapshotコピーは転送されません。