単純なデータ保護構成は、単一のミラー関係が設定されている1個のFlexVolまたはInfinite Volume、あるいは1つのSnapVault関係が設定されている1個のFlexVolからなります。 さらなるデータ保護を実現するより複雑な構成は、FlexVol間の関係のカスケード チェーン、あるいはFlexVolまたはInfinite Volumeのファンアウト関係のセットからなります。
ボリューム間の単一の関係でもデータ保護は提供されますが、より複雑なカスケード構成およびファンアウト構成で実現されるさらなる保護が必要となる場合もあります。
カスケード チェーンの例は、A対B対Cという構成です。 この例では、Aはデータ保護ミラーとしてのBにレプリケートされるソースであり、BはSnapVaultバックアップとしてのCにバックアップされるプライマリです。 カスケード チェーンはA対B対Cという構成よりも複雑にすることもできますが、チェーンに含まれる関係が多くなるほど、レプリケーション処理や更新処理が進行中の間、ボリュームの一時的なロック数が増加します。
ファンアウトの例は、A対BとA対Cのバックアップまたはミラー レプリケーション構成です。 この例では、Aは、B(ミラー関係またはSnapVault関係に参加)とCの両方にレプリケートされるプライマリ ソースです。
サポートされる構成のタイプは次のとおりです。
FlexVolまたはInfinite Volumeで、ミラー レプリケーション処理のソースまたはデスティネーションである別のボリュームと単一の関係が確立されているか、FlexVolで、SnapVault処理のプライマリまたはセカンダリである別のボリュームと単一の関係が確立されている構成です。
構成できるカスケード チェーン関係には、次の3タイプがあります。
2つ以上のミラー関係からなるチェーンで、最初のボリュームはセカンダリ ボリュームに対するレプリケーション処理のソースとなり、セカンダリ ボリュームは三番目のボリュームに対するレプリケーション処理のソースとなります。 この構成は、Aミラー対Bミラー対Cのように表されます。
1つのミラー関係に1つのSnapVault関係が続くチェーンで、最初のボリュームはセカンダリ ボリュームに対するレプリケーション処理のソースとなり、セカンダリ ボリュームは三番目のボリュームに対するSnapVault処理のプライマリとなります。 この構成は、Aミラー対B SnapVaultバックアップ対Cのように表されます。
1つのSnapVault関係に1つのミラー関係が続くチェーンで、最初のボリュームはセカンダリ ボリュームに対するSnapVault処理のプライマリとなり、セカンダリ ボリュームは三番目のボリュームに対するレプリケーション処理のソースとなります。 この構成は、A SnapVaultバックアップ対Bミラー対Cのように表されます。
負荷共有ミラーのソース ボリュームまたはデスティネーション ボリュームをカスケード関係の一部とすることはできません。 負荷共有ミラー関係については、『clustered Data ONTAP論理ストレージ管理 ガイド』を参照してください。
ファンアウト関係の構造では、ソースは複数のデスティネーションにレプリケートされ、デスティネーションはミラー デスティネーションでもSnapVaultデスティネーションでも構いません。 1つのファンアウトで使用できるSnapVault関係は1つだけです。
最初のボリュームは、セカンダリ ボリュームに対するレプリケーション処理のソースとなり、別のセカンダリ ボリュームに対するSnapVault処理のソースにもなります。 この構成は、Aミラー対BとA SnapVaultバックアップ対Cのように表されます。
最初のボリュームは、デスティネーション ボリュームに対するレプリケーション処理のソースとなり、もう1つ別のデスティネーション ボリュームに対するレプリケーション処理のソースにもなります。 この構成は、Aミラー対BとAミラー対Cのように表されます。