SVMとは

Storage Virtual Machine(SVM、旧Vserverには、複数のデータ ボリュームと、クライアントへのデータの提供に使用するLIFが1つ以上含まれます。clustered Data ONTAP 8.1.1以降のSVMには、1つ以上のFlexVol、または1つのInfinite Volumeを含めることができます。

SVMは共有されている仮想データ ストレージおよびネットワークを安全に分離し、クライアントにはそれぞれのSVMが単一の専用サーバとして認識されます。各SVMには独立した管理者認証ドメインがあり、SVM管理者による個別管理が可能です。

クラスタでは、SVMがデータ アクセスを提供します。データをやり取りするために、クラスタでは少なくとも1つのSVMが必要です。SVMは、クラスタのストレージおよびネットワーク リソースを使用します。ただし、ボリュームとLIFはSVM専用です。1つのクラスタ内に複数のSVMが共存でき、クラスタ内のどのノードにバインドされることもありません。ただし、所属している物理クラスタには紐付けられます。

各クラスタには、FlexVolを備えたSVMとInfinite Volumeを備えたSVMを1つ以上配置できます。

FlexVolを備えたSVM


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NAS環境内のFlexVolを備えたSVMは、それぞれが1つのディレクトリ階層として表示され、一意のネームスペースが割り当てられます。ネームスペースを使用することで、NASクライアントはデータの物理的な場所を指定することなくデータにアクセスできます。また、クラスタおよびSVMの管理者は、分散されたデータ ストレージを、複数の階層からなる単一のディレクトリとして管理できます。

NASの各SVM内のボリュームはジャンクションによって相互に関連付けられ、ジャンクション パスにマウントされます。これらのジャンクションは、各ボリューム内のファイルシステムを表します。SVMのルート ボリュームはネームスペース階層の最上位に位置するFlexVolで、その他のボリュームはSVMのルート ボリュームにマウントされてネームスペースを拡張します。SVMにボリュームが作成されると、SVMのルート ボリュームにジャンクション パスが追加されます。

FlexVolを備えたSVMには、ファイルとLUNを含めることができます。このSVMは、NASクライアントにはNFSプロトコルとCIFSプロトコルを使用してファイルレベルのデータ アクセスを提供し、SANホストにはiSCSIプロトコルとFibre Channel(FC;ファイバチャネル)プロトコル(FCoEが含まれる)を使用してブロックレベルのデータ アクセスを提供します。

Infinite Volumeを備えたSVM


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Infinite Volumeを備えたSVMには、データを提供するInfinite Volumeを1つだけ含めることができます。Infinite Volumeを備えたSVMに含まれるジャンクション パスは1つで、デフォルト値は/NSです。このジャンクションは、Infinite Volumeを備えたSVMが提供する大規模なネームスペースに対して単一のマウント ポイントを提供します。Infinite Volumeを備えたSVMにジャンクションを追加することはできません。 ただし、Infinite Volumeのサイズを拡張することはできます。

Infinite Volumeを備えたSVMが格納できるのはファイルだけです。このタイプのSVMは、NFSプロトコルとCIFSプロトコルを使用してファイルレベルのデータ アクセスを提供します。Infinite Volumeを備えたSVMにLUNを含めることはできず、ブロックレベルのデータ アクセスは提供されません。

注: Data ONTAPのコマンドライン インターフェイス(CLI)では、コマンドやパラメータ名がvserverのまま変更されておらず、出力にもこれまでどおりVserverと表示されます。