ストレージQoSの仕組み

ストレージQoSは、クライアント処理(SANおよびNASデータ要求)とシステム処理のスロットリングと優先順位付けを行うことで、ポリシー グループに割り当てられるワークロードを制御します。

ポリシー グループとは

ポリシー グループは、1つ以上のワークロードと、ポリシー グループ内のすべてのワークロードに一律に適用されるパフォーマンス制限で構成されます。次の2種類のポリシー グループがあります。

ユーザ定義のポリシー グループ
入出力(I/O)要求のスロットリングにより、ポリシー グループに属するストレージ オブジェクトに最大スループットを適用します。
システム定義のポリシー グループ
クラスタが実行する内部処理を管理します。

両方の種類のポリシー グループのパフォーマンス データを表示できます。システム定義のポリシー グループの名前はアンダースコアで開始されます。

ワークロードとは

ワークロードとは、クラスタが実行する処理です。次の2種類のワークロードがあります。

ユーザ定義のワークロード
ポリシー グループに属するストレージ オブジェクトへのクライアントからの入出力(I/O)処理です。ストレージ オブジェクトとしては次のものがあります。
  • FlexVolを備えたSVM
  • FlexVol
  • LUN
  • ファイル(主に仮想マシン)

ポリシー グループに割り当てられていないストレージ オブジェクトに対するI/Oは、「ユーザのデフォルト」のワークロードに属します。

システム定義のワークロード
クラスタが実行する内部処理です。ストレージQoSは、特定のシステム処理を制御して、クライアント処理への影響を防ぎます。対象となるのは、ストレージ効率化処理やデータ レプリケーション処理などです。

両方の種類のワークロードのパフォーマンス データを表示できます。システム定義のワークロードの名前はアンダースコアで開始されます。

次の図は、ユーザ定義のポリシー グループとシステム定義のポリシー グループを示しています。ユーザ定義のポリシー グループはユーザ定義のワークロード、つまりアプリケーションからストレージ オブジェクトへのクライアント処理を制御します。システム定義のポリシー グループは、システム定義のワークロード、つまりクラスタが実行する内部システム処理を制御します。

この図には説明が付随しています。