SVMの作成計画

SVMのさまざまな側面を理解することが、SVMのセットアップ プロセスを計画するうえで必要になります。また、SVMを作成する目的を理解し、SVMに格納する必要があるボリュームの種類、データ アクセス環境、ネットワーク分離などの詳細を把握する必要もあります。

データ アクセス用のSVM

クラスタからデータを提供するためには、SVMを作成する必要があります。SVMには、クライアントにデータを提供するためのFlexVolを1つ以上、またはInfinite Volumeを1つ含めることができます。

OnCommand System Managerを使用して、FlexVolを備えたSVMおよびInfinite Volumeを備えたSVMを作成および設定することもできます。

clustered Data ONTAP 8.3 OnCommand System Managerを使用したクラスタ管理

データ アクセス用にFlexVolを備えたSVMを作成する際には、SVMの次の属性を理解しておく必要があります。

SVM属性 有効値 説明
SVMサブタイプ default データ アクセス用に作成するデータSVMは、subtypeオプションをdefaultに設定する必要があります。
ボリューム FlexVol -is-repositoryオプションはfalse(デフォルト値)に設定する必要があります。
プロトコル NFS、CIFS、iSCSI、FC データSVMは、データをNASクライアントとSANホストに同時に提供できます。
ルート ボリュームのセキュリティ形式
  • NFSおよびCIFS:mix
  • CIFS:ntfs
  • NFS、iSCSI、FC:unix
SVMルート ボリュームには、クライアントに応じたセキュリティ形式を選択します。
IPspace 任意のIPspace

IPspaceは、各SVMに対するセキュアな専用ネットワーク パスを定義します。

SVMの作成時にIPspaceを割り当てることで、SVM用のネットワークを分離できます。

データ アクセス用にInfinite Volumeを備えたSVMを作成する際には、SVMの次の属性を理解しておく必要があります。

SVM属性 有効値 説明
SVMサブタイプ default データ アクセス用に作成するデータSVMは、subtypeオプションをdefaultに設定する必要があります。
ボリューム Infinite Volume -is-repositoryオプションはtrueに設定する必要があります。デフォルト値はfalseです。
プロトコル
  • NFS

    NFSv3、pNFS、NFSv4.1がサポートされています。

  • CIFS

    SMB 1.0がサポートされています。

データSVMは、NASクライアントのみにデータを提供できます。
ルート ボリュームのセキュリティ形式
  • NFSおよびCIFS:mix
  • CIFS:ntfs
  • NFS:unix
SVMルート ボリュームには、クライアントに応じたセキュリティ形式を選択します。
IPspace 任意のIPspace

IPspaceは、各SVMに対するセキュアな専用ネットワーク パスを定義します。

SVMの作成時にIPspaceを割り当てることで、SVM用のネットワークを分離できます。

MetroCluster構成用のSVM

MetroCluster構成用のソースおよびデスティネーションStorage Virtual Machine(SVM)を作成して、データの同期ディザスタ リカバリおよび高可用性を実現できます。

注: MetroCluster構成でサポートされるのは、FlexVolを備えたSVMだけです。

MetroCluster構成用にSVMを作成する際には、SVMの次の属性を理解しておく必要があります。

SVM属性 有効値 説明
SVMサブタイプ sync-sourceおよびsync-destination MetroCluster構成のために作成されるソースおよびデスティネーションSVMは、subtypeオプションをそれぞれsync-sourceまたはsync-destinationに設定する必要があります。
ボリューム FlexVol デフォルト値はfalseであるため、-is-repositoryオプションを指定する必要はありません。
プロトコル NFS、CIFS、iSCSI、FC ソースおよびデスティネーションSVMはすべてのプロトコルをサポートします。
ルート ボリュームのセキュリティ形式
  • NFSおよびCIFS:mix
  • CIFS:ntfs
  • NFS、iSCSI、FC:unix
ソースとデスティネーションSVMのルート ボリュームは、同じセキュリティ形式にする必要があります。
IPspace 任意のIPspace

IPspaceは、各SVMに対するセキュアな専用ネットワーク パスを定義します。

SVMの作成時にIPspaceを割り当てることで、SVM用のネットワークを分離できます。

ソースおよびデスティネーションSVMは、同じ名前のIPspaceに属している必要があります。