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クォータ設定の例

これらの例は、クォータを設定する方法とクォータ レポートを確認する方法を理解するのに役立ちます。

次の例は、ボリュームvol1のみを含むStorage Virtual Machine(SVM、旧Vserver)vs1を使用するストレージ システムを想定しています。クォータのセットアップを開始するにあたり、次のコマンドを実行してこのSVMの新しいクォータ ポリシーを作成します。
cluster1::>volume quota policy create -vserver vs1 -policy-name quota_policy_vs1_1
このクォータ ポリシーは新規であるため、次のコマンドを実行してこれをSVMに割り当てます。
cluster1::>vserver modify -vserver vs1 -quota-policy quota_policy_vs1_1

例1:デフォルト ユーザ クォータ

次のコマンドを実行して、vol1の各ユーザに50MBのハード リミットを適用します。

cluster1::>volume quota policy rule create -vserver vs1 -policy-name quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type user -target "" -disk-limit 50MB -qtree ""
新しいルールをアクティブ化するには、次のコマンドを実行してボリュームのクォータを初期化します。
cluster1::>volume quota on -vserver vs1 -volume vol1 -foreground
クォータ レポートを表示するには、次のコマンドを実行します。
cluster1::>volume quota report
次のようなクォータ レポートが表示されます。
Vserver: vs1
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
  vol1               user    *           0B   50MB       0       -   *
  vol1               user    jsmith    49MB   50MB      37       -   *
  vol1               user    root        0B      -       1       -
最初の行には、作成したデフォルト ユーザ クォータ(ディスク制限など)が示されます。すべてのデフォルト クォータと同様に、このデフォルト ユーザ クォータにはディスクまたはファイルの使用状況についての情報は表示されません。作成したクォータのほかに、さらに2つのクォータが表示されます(vol1上で現在ファイルを所有しているユーザごとに1つ)。これらの付加的なクォータは、デフォルト ユーザ クォータから自動的に派生するユーザ クォータです。ユーザjsmithの派生ユーザ クォータのディスク制限は、デフォルト ユーザ クォータと同じく50MBです。rootユーザの派生ユーザ クォータは、追跡クォータ(無制限)です。

rootユーザ以外のシステム上のユーザがvol1で50MBを超える容量を使用する操作(エディタからのファイル書き込みなど)の実行を試みると、その操作は失敗します。

例2:デフォルト ユーザ クォータを無効にする明示的ユーザ クォータ

ユーザjsmithがボリュームvol1で使用できるスペースを増やす必要がある場合は、次のコマンドを実行します。
cluster1::>volume quota policy rule create -vserver vs1 -policy-name quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type user -target jsmith -disk-limit 80MB -qtree ""
ユーザがクォータ ルールのターゲットとして明示的に示されるため、これは明示的ユーザ クォータになります。
これは、このボリュームにおけるユーザjsmithの派生ユーザ クォータのディスク制限を変更するため、既存のクォータ制限に対する変更になります。したがって、変更をアクティブ化するためにボリュームのクォータを再初期化する必要はありません。クォータのサイズは、次のコマンドを実行して変更できます。
cluster1::>volume quota resize -vserver vs1 -volume vol1 -foreground
サイズを変更する間、クォータは有効なままです。サイズ変更プロセスは短時間で完了します。
次のようなクォータ レポートが表示されます。
cluster1::> volume quota report
  Vserver: vs1
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
  vol1               user    *           0B   50MB       0       -   *
  vol1               user    jsmith    50MB   80MB      37       -   jsmith
  vol1               user    root        0B      -       1       -
  3 entries were displayed.
2行目にはディスク制限80MBとクォータ指定子jsmithが示されています。

このため、jsmithは最大80MBのスペースをvol1で使用できます。ほかのユーザの制限は50MBのままです。

例3:しきい値

ここでは、あと5MBでユーザがディスク制限に達するという時点で通知を受け取ることを想定します。すべてのユーザに45MBのしきい値を作成し、jsmithに75MBのしきい値を作成するには、次のコマンドを実行して既存のクォータ ルールを変更します。

cluster1::>volume quota policy rule modify -vserver vs1 -policy quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type user -target "" -qtree "" -threshold 45MB
cluster1::>volume quota policy rule modify -vserver vs1 -policy quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type user -target jsmith -qtree "" -threshold 75MB

既存のルールのサイズが変更されるため、変更をアクティブ化するためにボリュームのクォータのサイズを変更します。サイズ変更プロセスが完了するまで待ちます。

クォータ レポートにしきい値を表示するには、-thresholdsパラメータをvolume quota reportコマンドに追加します。
cluster1::>volume quota report -thresholds
  Vserver: vs1
                                      ----Disk----  ----Files-----
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit   Used    Limit  Quota
                                            (Thold)                 Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------  ---------
  vol1               user    *           0B   50MB       0       -  *
                                             (45MB)
  vol1               user    jsmith    59MB   80MB      55       -  jsmith
                                             (75MB)
  vol1               user    root        0B      -       1       -
                                             ( -)
  3 entries were displayed.
しきい値は、[Disk]の[Limit]列でかっこ内に表示されます。

例4:qtreeのクォータ

2つのプロジェクトのために所定のスペースを分割する必要があると想定します。proj1とproj2という名前の2つのqtreeを作成して、これらのプロジェクトをvol1内に含めることができます。

現在、ユーザはそのボリューム全体で割り当てられているスペースと同じスペースをqtreeで使用できます(ただし、ルートまたは別のqtreeでのスペースの使用によってボリュームの制限値を超えていない場合)。また、1つのqtreeで、ボリュームの全容量を使用することも可能です。どちらのqtreeも20GBを超えることがないようにするには、次のコマンドを実行してこのボリュームにデフォルト ツリー クォータを作成します。
cluster1:>>volume quota policy rule create -vserver vs1 -policy-name quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type tree -target "" -disk-limit 20GB
クォータの種類がqtreeではなく、treeになっている点に注意してください。
これは新しいクォータであるため、サイズ変更によってアクティブ化できません。次のコマンドを実行して、ボリュームのクォータを再初期化します。
cluster1:>>volume quota off -vserver vs1 -volume vol1
cluster1:>>volume quota on -vserver vs1 -volume vol1 -foreground
注: 影響する各ボリュームのクォータは、5分ほど待機してから再アクティブ化します。volume quota offコマンドの実行後すぐにアクティブ化しようとすると、エラーが発生する場合があるためです。

また、コマンドを実行して、特定のボリュームを含むノードからボリュームのクォータを再初期化することもできます。

クォータは、再初期化プロセス(サイズ変更プロセスより長い時間がかかる)では適用されません。

クォータ レポートを表示すると、新しい行(ツリー クォータに関する行と派生ユーザ クォータに関する行)がいくつか追加されていることがわかります。

以下の新しい行には、ツリー クォータについての情報が表示されます。
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
...
  vol1               tree    *           0B   20GB       0       -   *
  vol1     proj1     tree    1           0B   20GB       1       -   proj1
  vol1     proj2     tree    2           0B   20GB       1       -   proj2
...
作成したデフォルト ツリー クォータは先頭の新しい行に表示され、[ID]列にアスタリスク(*)が示されます。ボリュームのデフォルト ツリー クォータに対応して、Data ONTAPではボリューム内のqtreeごとに派生ツリー クォータを自動的に作成します。これらは、[Tree]列がproj1とproj2の行に表示されます。
以下の新しい行には、派生ユーザ クォータについての情報が表示されます。
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
...
  vol1     proj1     user    *           0B   50MB       0       -
  vol1     proj1     user    root        0B      -       1       -
  vol1     proj2     user    *           0B   50MB       0       -
  vol1     proj2     user    root        0B      -       1       -
...
ボリュームのデフォルト ユーザ クォータは、qtreeに対してクォータが有効になっていれば、そのボリュームに含まれるすべてのqtreeに自動的に継承されます。最初のqtreeクォータを追加したときに、qtreeのクォータを有効にしました。このため、qtreeごとに派生デフォルト ユーザ クォータが作成されました。これらは、IDがアスタリスク(*)である行に示されています。

rootユーザはファイルの所有者であるため、qtreeごとにデフォルト ユーザ クォータが作成されたときに、各qtreeのrootユーザに対して特殊な追跡クォータも作成されました。これらは、IDがrootである行に示されています。

例5:qtreeのユーザ クォータ

ユーザがproj1 qtreeで使用できるスペースが、ボリューム全体で使用できるスペースよりも小さくなるように設定します。proj1 qtreeではユーザが使用できるスペースを10MBに制限します。このため、次のコマンドを実行してqtreeのデフォルト ユーザ クォータを作成します。
cluster1::>volume quota policy rule create -vserver vs1 -policy-name quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type user -target "" -disk-limit 10MB -qtree proj1

これは、このボリュームのデフォルト ユーザ クォータから派生したproj1 qtreeのデフォルト ユーザ クォータを変更するため、既存のクォータに対する変更になります。したがって、クォータのサイズを変更して変更をアクティブ化します。サイズ変更プロセスが完了したら、クォータ レポートを表示できます。

qtreeの新しい明示的ユーザ クォータが示された、以下の新しい行がクォータ レポートに表示されます。
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
  vol1     proj1     user    *           0B   10MB       0       -   *    
しかし、デフォルト ユーザ クォータを無効にする(ユーザjsmithのスペースを増やす)ために作成したクォータがボリューム上にあったため、jsmithはproj1 qtreeにデータをこれ以上書き込むことができなくなっています。proj1 qtreeにデフォルト ユーザ クォータを追加したため、そのクォータが適用され、そのqtreeでjsmithを含むすべてのユーザのスペースを制限しています。ユーザjsmithが使用できるスペースを増やすには、次のコマンドを実行し、ディスク制限を80MBにするqtreeの明示的ユーザ クォータ ルールを追加して、qtreeのデフォルト ユーザ クォータ ルールを無効にします。
cluster1::>volume quota policy rule create -vserver vs1 -policy-name quota_policy_vs1_1 -volume vol1 -type user -target jsmith -disk-limit 80MB -qtree proj1

これは、デフォルト クォータがすでに存在する明示的クォータであるため、クォータのサイズを変更してこの変更をアクティブ化します。サイズ変更プロセスが完了したら、クォータ レポートを表示します。

クォータ レポートに以下の新しい行が表示されます。
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
  vol1     proj1     user    jsmith    61MB   80MB      57       -   jsmith
最終的に次のようなクォータ レポートが表示されます。
cluster1::>volume quota report
  Vserver: vs1
                                      ----Disk----  ----Files-----   Quota
  Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
  -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
  vol1               tree    *           0B   20GB       0       -   *
  vol1               user    *           0B   50MB       0       -   *
  vol1               user    jsmith    70MB   80MB      65       -   jsmith
  vol1     proj1     tree    1           0B   20GB       1       -   proj1
  vol1     proj1     user    *           0B   10MB       0       -   *
  vol1     proj1     user    root        0B      -       1       -
  vol1     proj2     tree    2           0B   20GB       1       -   proj2
  vol1     proj2     user    *           0B   50MB       0       -
  vol1     proj2     user    root        0B      -       1       -
  vol1               user    root        0B      -       3       -
  vol1     proj1     user    jsmith    61MB   80MB      57       -   jsmith
  11 entries were displayed.

proj1内のファイルに書き込むためには、ユーザjsmithは次のクォータ制限を満たす必要があります。

  1. proj1 qtreeのツリー クォータ
  2. proj1 qtreeのユーザ クォータ
  3. ボリュームのユーザ クォータ