デフォルトのユーザ クォータまたはグループ クォータを作成すると、同じレベルでファイルを所有するユーザまたはグループごとに、対応する派生ユーザ クォータまたは派生グループ クォータが自動的に作成されます。
派生ユーザ クォータと派生グループ クォータは次のように作成されます。
ユーザまたはグループがデフォルトのユーザ クォータまたはグループ クォータのレベルでファイルを所有していない場合、そのユーザまたはグループには派生クォータが作成されません。たとえば、qtree proj1にデフォルト ユーザ クォータが作成され、ユーザjsmithが異なるqtree上のファイルを所有している場合、jsmithには派生ユーザ クォータが作成されません。
派生クォータの設定は、制限とユーザ マッピングを含め、デフォルト クォータと同じです。たとえば、デフォルト ユーザ クォータのディスク制限が50MBでユーザ マッピングが有効の場合、作成される派生クォータもディスク制限が50MBでユーザ マッピングが有効になります。
ただし、3つの特殊なユーザとグループの場合、派生クォータに制限はありません。次のユーザとグループがデフォルトのユーザ クォータまたはグループ クォータのレベルでファイルを所有している場合、派生クォータはデフォルトのユーザ クォータまたはグループ クォータと同じユーザ マッピング設定で作成されますが、単なる追跡クォータになります(制限なし)。
Windowsグループのクォータはユーザ クォータとして追跡されるため、このグループの派生クォータは、デフォルト グループ クォータではなくデフォルト ユーザ クォータから派生するユーザ クォータになります。
root、jsmith、およびbobという3人のユーザがファイルを所有しているボリュームが存在し、このボリュームにデフォルト ユーザ クォータを作成する場合は、Data ONTAPによって自動的に3つの派生ユーザ クォータが作成されます。このため、このボリュームのクォータを再初期化したあと、次に示す4つの新しいクォータがクォータ レポートに表示されます。
cluster1::> volume quota report Vserver: vs1 ----Disk---- ----Files----- Quota Volume Tree Type ID Used Limit Used Limit Specifier ------- -------- ------ ------- ----- ----- ------ ------ --------- vol1 user * 0B 50MB 0 - * vol1 user root 5B - 1 - vol1 user jsmith 30B 50MB 10 - * vol1 user bob 40B 50MB 15 - * 4 entries were displayed.
先頭の新しい行は作成したデフォルト ユーザ クォータで、IDがアスタリスク(*)であることから判別できます。ほかの新しい行は派生ユーザ クォータです。jsmithとbobの派生クォータのディスク制限は、デフォルト クォータと同じく50MBです。rootユーザの派生クォータは、制限のない追跡クォータです。